人気ブログランキング |

『神童』


b0065128_1523059.jpg『神童』観てきました。

前評判通り、良かったです。
つーか所々うるっと来てしまいました。

以下ネタバレあります。



・クラシック音楽の映画化とはいかがなもんか?
なんて、思ってみてましたけど、いろんな部分で結構雰囲気がちゃんと出ているなぁと思う部分がありました。
○うたが代演で協奏曲をやる事になった時、スタンディングオベーション。
一時の沈黙があって、それから拍手が起こり、バラバラと人が立ち上がって、スタンディングオベーションになる。
普通スタンディングオベーションが起こる時って、みんながみんな立ち上がったりとかってよっっっぽどの事が無い限りしないですしね。大体半分の人が立ち上がって拍手してるくらいの方がまだ自然かなぁとも思う。そういう意味ではのだめのドラマはややリアリティに欠けますが、「祭り」って感じなのかなぁなんて改めて思ったりしました。

○ワオの入学試験
なんというか、最初の下手さを考えると、どのくらいの期間がたってるのかわからないですけど、こんなに巧くなるもんなのかなぁなんて思ったりもしましたが、でもそれは漫画ですしね。映画ですから。
松山ケンイチさんいいですね。
というか、あの鬼気迫る演奏シーン。「熱情」が本当にぴったりですね。
実際に弾いてるのは別の人(講師役で木枯らしのエチュードを軽やかに弾いていた清塚さん←ドラマの千秋の代弾もしてましたね)ということは頭では意識してるんですが、それさえ忘れさせるくらい画面に見入ってしまいました。
それとちょっと田舎臭い感じとか、ハンテン着ながら夜な夜なピアノを練習する姿とかうわー、似合う!確かにこの役一番はまってますよ!と思ってしまいました。

・ということで、結果的にこの映画は良かったんです。
「クラシック」という枠で括らずともこの映画は良かったと思います。
ただ、成海璃子さんが13歳という設定なんですけど、彼女も14歳というあまり年齢変わらないんですね。
っていうか、大人っぽすぎますよ!っていうかかわいい…。
周りの中学生役の子役の子がいてどうにか、「中学生らしい」ということが保たれてるような気がする…。
なんというか、ぬいぐるみの小道具とか、わがまま言い放題な感じとか、ワオが想いを寄せる相原さんへの嫉妬丸出しの子供な発言とか、練習室でいちゃつくカップル(おい(笑))の練習室のドアを蹴っ飛ばしたり、なんか結構暴力的だったりとか、ああいう部分から中学生なんだなぁということをほのぼのと感じたりしましたが…。

・個人的に一番切なかったのは、うたに想いを寄せる同級生の男の子。
聴力を失った(らしい)うたがふらふらと歩いているのを心配して、どこまでもついてゆく少年。
そしてうたの言うまま、(恐らく)自殺した、父との思い出の地、「ピアノの墓場」と言われる倉庫へ行きます。
そこで、家計が困窮したため売られてしまった父のピアノを発見して、父の思い出の曲を弾こうとするうた。
そこへワオ登場!うわー、王子さま来たよ〜と思ったのは私だけでしょうか(笑)
そして二人でその思い出の曲を連弾するんです。
倉庫に鍵がかかっていたんで、小さな窓から侵入する時に、うたの踏み台にまでなった男の子は外で膝を抱えて、二人の演奏を聴いています。
あんまり多くは語られないところだと思いますが、なんかすごく切なかったデスよ…。

・ちょっとびっくらしたのは、オケと合わせたこともないのに、協奏曲を本番一発でできちゃうもんなの?
いや、漫画だからいいのかな。「神童」ですからね。

・男は理論派、女は感覚派って言う感じなんでしょうかね。
御子柴教授に「君の演奏は呼吸してないね」と言われるワオ。
理詰めでピアノを弾こうとするワオ。
そしてこれはこうでしょ!とリズムを口ずさみながら教えるうた。
二人は違うものを持っているから惹かれるんでしょうね。
そんな感じがしました。

・二人は「音」で「音楽」で会話をしてゆくんですね。
二人の連弾シーンはじーんときましたね。
すごくあったかいものを観た感じがしました。
二人が想いあっているということは言葉では直接語られるところはないけれど、それは
「音楽」が全て語ってくれていると思います。

・クラムボンの曲もいいですな。
うん。これは文句なしにいい。

・「ぬいぐるみ」の効果
この「ブタのぬいぐるみ」
特に説明があるわけではないですが、ワオが入学試験で演奏した時は、うたの、
そしてうたが協奏曲を弾いた時はワオのそれぞれの魂がこもっている様なそんな感じがしました。

・やっぱり実際のプロが演奏してると場面が引き締まりますね。
相原こずえ役の三浦友理枝さん。
ショパンのエチュードOp.10-4(のだめでもおなじみですね)
そして清塚信也さんのショパンの木枯らしのエチュードOp.25-11
清塚さんの方は、途中で教授に肩をポンポンと叩かれて、
ワオに対してまだまだ青いなって感じで、フッと微笑みかけてから
最後の部分のフレーズだけを弾いて終わりにするんですよ。
その時の演技といったら!
なんというか、ピアニストって「魅せる」事も重要ってことがよくわかりますね〜。
ホント、俳優業もできるんじゃないですか!(笑)
なんてちょっと思ってしまった次第。

・確かにね、いろんな場面で破綻してる部分とか説明が足りないとかあるんでしょうけど、あんまり説明を加えてしまったらまたそれはそれで面白くないと思うんですよ。
私は以前のレビューでも書きましたが、「海でのはなし」のような理論だけでがんじがらめにしてしまう感じで映像にする必要ってあんのこれ?みたいな作品が受付けないということがわかったんで、それと比べると、この作品は非常に説明が少ない。
例えば、
「ワオは倉庫の扉が閉まってたのにどっから入ったの?」
「つーか倉庫がここにあるなんてなんでワオはわかったの?」
「折角ピアノ売ったのに、なんでゴミ捨て場の様なピアノの墓場にもどってきちゃうのよ?だったら売った意味ないんじゃない?」
「なんでうたの父親が作った曲をワオが知ってるの?」
「ワオと美音は演奏中のホールに入場とかフツーできねぇだろ?」
(あ、ただ演奏中のホールにはどんな時でも入れるんですよみたいな間違った認識を持たせてしまうって言う意味ではあんまりよくないかもしれないですけどね。「のだめ」のドラマでも千秋のラフマの時にばったーん!ってドアを開けて入ってきたのだめは相当マナー違反ですから…)
とかいろいろ…。でもまぁ、そういう重箱の隅をつつくような事で「映画」って評価したくないですから。というのがあくまでも私の意見だったりします。
そういう細かい事を気にするよりも、作品が何を伝えようとしてるのか?っていうことの方が大事というんでしょうか?
クラシックをないがしろにしているわけではないと思うし、「恋愛」に逃げたりとかそういうこともしていない。そういうのが好感持てたのかなぁ。

という感じでした。
もう一度DVDになったら観たいなぁと思う感じの映画でした。


にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
↑そんな感じで「熱情」を聞き返すこの頃。よかったらぽちっとお願いします。
by rui-hadsuki | 2007-05-23 23:10 | movie | Comments(2)
Commented by もも色ねこ ふわふわ at 2007-05-28 19:21 x
ブログランキング1等賞返り咲きおめでとござます。!
はじめまして。「フルートを奏でよう」のぴっころ様の後輩のももねこです。
10歳過ぎて、神童というのは、無理があるように思います。
6月21日 藤元高輝(14歳)伝説の予感;フォンテックからリリース!
彼も神童の時を過ぎ、天才と言われる時期になって来ました。
これからの日本のクラシック界と**ー界を両肩に
しっかりと背負う事に成りそうです。
私事言ってすいませーん。
Commented by rui-hadsuki at 2007-05-29 00:50
ももねこさん

コメントありがとうございます。
ランキング1位になれたのも、皆皆様のおかげです。

>10歳過ぎて、神童というのは、無理があるように思います。
確かにそうですよね。
原作では確かうたは小学校5年生という設定だったんで、ギリギリ神童という感じなんでしょうか。
映画では成海さんが14歳なので、「元」神童という設定らしいです。
藤元さんのCDもチェックしてみますね。
情報ありがとうございます。

これからもどうぞ宜しくお願いします。

<< のだめ lesson108 ネ... 変わりゆく音楽と変わらない音楽 >>