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池田理代子『オルフェウスの窓』を読む

古典も読もうよ、ということで。
読みました。『オルフェウスの窓』
感想です。



・男装の麗人の話。
池田理代子さんはベルバラに引き続きという感じですかね。
でも、この話はベルバラと比べると、登場人物が非常に多くて(実際に私も読んでて混乱して分からなくなった部分が多数あります)
主役のユリウスがそこまで引立ってない様な気がします。
男装の麗人ということが、途中までは非常に重要なことなんだけれど、途中からあまり意味をなさない事になってしまうし。

・音楽学校が舞台なんだけど…
≠音楽の話なのです。
いや、一部は音楽の話なんだけど、結局音楽漫画というよりも、「人」と「人」との関係性とかロシア革命の時代ものとして読んだ方がいいのかもしれないですね。

・男と女の考え方の違いっていうのが読んでて面白かったです。
男はひたすら、「自分の生きる道」というものを考えてます。
国の行く末、政治、そして自分の音楽というものとか。
しかし、女はそれと対照的で「男のために生きる」という感じなんだろうなぁと思う。
どの女も愛の為に生きる。という点が対照的でした。
アルラウネが唯一革命の為に生きた女性なんだけれど、アレクセイという彼女が愛したドミートリィの弟がいるからドミートリィの死後も革命家で有り続ける理由のような気もするし。
そしてもう一人の女性革命家アナスタシアは、彼女がアレクセイを愛するが故に革命家になった。
というところが、男達の志す「革命」とは意味をなすところが違う。
男達は愛する女がいたとしても結局祖国へ帰ってしまうし、死も厭わないのだ。

・愛に生きる女ってカッコいいのかどうかが疑問
この中で描かれる女には様々な像があって、
例えばロベルタの様に、好きな男に真摯に尽くすのに、結婚して世界が変わったとたんに忘れてしまうという女。
アレクセイに好かれたいという一心から、彼に愛される事はないと悟った瞬間に彼の愛するユリウスに対するそねみから「復讐」をすることだけを考える女とか。
というかですね、ユリウスが何故イザークとかアレクセイから愛されるのかっていうのがやっぱり疑問だったりするんです。
彼女は何かを持っているようで何も持っていない。何も知らない。
強いて言うならば、美しさということなんでしょうか。

・私は個人的にはレオニード・ユスーポフが好き。
いや、なんというかですね。彼がユリウスに惹かれてゆくという構図はすごくわかるし、そして彼の優しさというんですかね。
ああいうのに個人的には惹かれます。

・というかバックハウスが出てくるんですよ。
実在のピアニストが出てくるなんて思いませんでした。
しかもヴィルヘルム・バックハウス。
個人的にはあまりバックハウスのベートーヴェンがそれほど好きでもないというベートーヴェン好きの人から非難ゴーゴーの私なんですが。
イザークが憧れるのがバックハウスだとしたら、私はきっとイザークの演奏もそこまで好きではないのかもしれないなぁ、でもイザークの性格っぽいなぁとかいろいろ考えてしまったりするんです。

という感じ。
とにかく登場人物が多いんで、ゆっくりと人物関係とかを読み解きながら読んで行った方がわかるかもしれないですね。

うん、今度はちゃんとベルバラを買って読もう。
アニメでしか観た事無かったし。

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by rui-hadsuki | 2007-06-03 00:46 | books | Comments(0)
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