人気ブログランキング |

『虹の女神』

b0065128_12422925.jpg『虹の女神』
前売りが使えなくなる前に観てきました。
最初真ん中くらいの席に座ってたのに、一番後ろの席に移動してよかった。
柄にもなく、一人で大泣きしてしまった…。
映画館でこんなに泣いたのは初めてかもしれないです。



まずは脚本。二年〜三年近くかけて構築されただけあります。
途中で、どうしてこのエピソードを入れるんだろうとか、不思議に思う部分もあったりするんですが、後で考えてみるとそれもきちんと伏線として描かれていたり。
うーん。よかった。
そして役者。
若いのにこんだけ演技できるっていうのに脱帽。
上野樹里の演技は本当にうまいです。

内容として、自主映画を撮っている大学生という設定もあったからか、自分にもリンクする部分があったから余計に入り込んでしまった部分もあるんだろうなぁ。
映画撮ってる女の子ってこんな感じだよね。とか。
上野樹里の頭がボサボサの時があって、うん。映画撮ってて、金なくてさ。そんな風になるさ。と思ったり。

以下ネタバレになるんで、これから観たいと思ってる人は遠慮したほうがいいかも。

私が一番ぐっと来た部分。
・大学を卒業するという時。あおいと岸田が二人でサークル室を掃除していて(このサークル室の雰囲気とかも、あぁ、映画サークルって感じだなって思ったりするんですよ)その掃除が終わった時に、就職どうよ?みたいな話をしてて、その時にあおいが
「10年後とかどうしてんのかな」と言うんです。
彼女はこの三年後には死んでいるわけで、この台詞を岸田ではなくあおいに言わせていることがぐっとくるんです。
そしてその後岸田はあおいの手をひっぱって、あおいの作った岸田が主演の映画をもう一度観るんです。そして映画の夢を諦めようとしていたあおいの背中を無言で押してあげるんです。その時の彼女の涙が本当に綺麗でした。

・就職して数年がたって、あおいは会社の先輩の勧めもあって、アメリカへ行くことを決意する。そのことを会社の先輩に告げた日に、あおいは岸田と連絡をとって会います。そして働き口のない彼は彼女の紹介で、あおいと同じ会社で働くことになって。
取材で二人で訪れた出会い系のイベントでの帰り道。
あおいはそのイベントで誰からも交際を申し込まれず、そんな彼女に対して、岸田は
「寂しい者同士、付き合おうか」
とあおいに言って抱きしめます。でも
「女を感じないんだよな」「でもそんなんでも結婚できるのかもな、俺たち結婚しようか」と、いけしゃあしゃあと言ってのけます。
そんな彼に対して、あおいはキレて涙ながらに鞄で殴りつけたり、蹴っ飛ばしたりします。
「ごめん」
と謝る彼に
「なんで謝るの!」
とまた怒るあおい。

このシーン。なんかもう涙が止まらなかったですよ。
切な過ぎて。その時の樹里ちゃんの表情が本当にうまいんです。

・そしてアメリカへ旅立つとわかった時に交わした二人の言葉。
あおいは失恋したから、海外へ逃げる、と言って、その人がそばにいてくれって言ってくれたらきっとここに残るんだろうと言う。
そしてあおいの気持ちに気付かない岸田は「日本にいろよ」と言い、
その返答にあおいは小さい声で「そばじゃないんだ…」とつぶやきます。
そしてその返答がきこえているのかいないのか、「がんばれよ」と一言彼は言うんです。
もう切な過ぎます。

・そしてあおいが撮った自主映画。the end of the world
この中で、地球最後の日は大切な人と一緒にいたいと言って、泣くミユキ(あおい)。
あおいの願いは叶えられることはなかった。
けれども、彼女が最期に聴いた声は岸田の声だったかもしれない、と思うことが唯一の救いなんだろうか。

・そして彼女がアメリカへ旅立った後、岸田には恋人ができます。
その彼女は実はけっこうなくせ者で、実は年を8歳もサバ読んでいた(笑)
24歳の彼に34歳の彼女。
そしてその事実がわかって、腹を立てた岸田は出て行けと彼女を追い出します。
その時の女が放った一言
「私が34歳だってわかっていたら付き合った?バツイチだって知ってたら付き合った?」
この一言。あおいと岸田の状況にもそっくりあてはまるような気がするんです。
あおいが岸田に気持ちを告げていたら彼は彼女と付き合ったんだろうか?
答えは否だろう。
だから、この話は切ない。
最終的にあおいが書き残した手紙の一部をみて、岸田は彼女の気持ちに気付いて、彼女が死んでから初めて涙を流すんですが、きっと生きていて、付き合ったとしてもきっとこの二人はうまくいかなかったんだと思うんです。
この男、恋とはどういうものなのか、好きになるっていうのがどういうことなのか、っていうのが全然わかってないから(笑)
だから彼女はまっすぐな虹なんだろうと思う。一方通行の想いなんだと思う。

そういうことを実にさわやかに描いています。
水たまりを使う演出とかも好きなんだろうな。

いやー、映画館でホント一番後ろの席に座ってよかったです。
by rui-hadsuki | 2006-12-08 01:43 | movie | Comments(0)
<< N響定期公演Cプロ 『デスノート 後編 the l... >>