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伊藤悠『シュトヘル』を読む

b0065128_12173195.jpgゆるゆると今まで読んだ漫画の感想やら映画やアニメの感想やら
はたまた最近の近況、ご飯とかお裁縫とか自転車とかゆるゆると綴っていこうと思うのでよろしくお願いします。
ここ1~2年ずっとtwitterばかりやっていたのですが、そろそろちゃんと長い文章書きたいという衝動にかられてくるようになったのでブログをぼちぼち再開します。

そんな再開の作品感想はこれを。伊藤悠『シュトヘル』を読んだので感想をば。

あらすじ(wikiより参照)
13世紀初頭、蒙古(モンゴル)軍による西夏国(タングート)侵攻が続く時代に、「悪霊(シュトヘル)」と恐れられた女戦士がいた。
時代は変わって現代。高校生・須藤は、燃え盛る建物と死が満ちる戦場を夢に見続けていた。ある日、顔を出したカラオケで出会った転校生・スズキとの邂逅によって、須藤は800年近く前に処刑されたシュトヘルとして蘇生する。

……平たく言うと10歳の少年のユルールくんが蒙古から西夏の文字を消滅させようという争いの中で文字を残そうと奮闘するというお話です。
対するシュトヘルは戦いによって大切な仲間をユルールの兄によって殺されたために仲間の仇を討つために兄から逃亡中のユルールと行動を共にします。
「文字」が人の人生に及ぼす影響はなんなのかということが多分テーマで
私個人もこういうテーマは好きなのですが、それ以上にいろいろと考えることがある作品でもありました。

ネタバレあります。




・ユルールの生き方は多分日本人にはあまり理解できないと思う。
主人公のユルールがかわいいんです。
文字を残すために村からの逃亡を謀るユルールなんですが、意志は強いんですけどボルドゥじいさんに
「どうやって逃げるのか」と聞かれたときに
「う~ん」と考えててあんまり考えてない表情のユルールがかわいくて
おい!お前そこ考えてなかったのかよ!とツッコミたくなります。
でも彼は基本的に自分のしたことに「後悔しない」生き方をしています。
びっくりするくらい後ろを振り返ることをしません。
それは村を通過するときに村の人が虐殺されるということを意図的に知らされなかったときに
「知らなかったからできなかったではなく、知っていてもできなかったことをわかっていたい」
というようなニュアンスのことを言うんですが、彼は本当に10歳なのか!と思うくらい背負っているものが大きいんですよね。
そして次への成長段階としてシュトヘル(というか須藤)を助けるためにユルールは顔に大きな傷を負って、人を殺します。
人を殺さないことに越したことはないんですが、人を殺したということを決して後悔しません。
自分の目的のためにはこれしか手段がないと思い至った時の迷いがないんですね。
日本人は死してもなんとか…みたいな美学があったりすると思うんですけど多分狩猟民族の文化の違い…とでもいうんでしょうか。
そういったカルチャーショックみたいなのは『乙嫁語り』でも描かれてますよね。
(そちらの感想はまた今度)
ユルールは身体能力的には子供ですし、強いというわけではなくむしろ弱いのですが、
そばにいる人がユルールを助けてあげたいと思わせる、強い意志に裏付けされた魅力が彼にはあるんですよね。
似たようなキャラクターというと『地球へ…』のソルジャーブルーのような存在なんでしょうか。

・でもそれだけだと読んでる側はお話に入っていきづらいんですよね
ということで登場するのがシュトヘルの中へ入ってしまった須藤くんなのかなぁと。
読者は須藤くんのように人を殺したりすることに当然ためらったりするし、後悔もするし、でもユルールを助けて、シュトヘルとの心の架け橋になってあげたいと願うようになります。
普通だったら女の体に入り込んでるんだからそこらへんでもちっとワーキャー言ったりとかあるはずなんですけどそこらへんふっとばしてますね。
ていうかユルール男の子なんだけどユルール好きになっちゃってるし。これは新種のBLなのかwww
いや別に対象の性別なんて関係ないんだよという雰囲気をまとっているような物語でもあるような気もします。

・そんな感じで続きが気になるお話なのです。
ユルールが顔に傷を負ってからというもの、以前の可愛らしさがなくなって青年になりつつあるんだなぁというのを感じるとちょっと個人的には寂しく思います。
あのエビみたいな帽子が可愛かったんだけどなぁ。
兄との対峙や大ハンとの対面とか見どころはまだまだいっぱいあるのでこれからの展開が気になる話です。


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by rui-hadsuki | 2012-02-08 12:18 | books | Comments(0)
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