湊かなえ『告白』を読む

b0065128_12403932.jpg湊かなえ『告白』を読む。

久々に活字も読もうと思って読んでみました。
2009年の本屋大賞というのもあり、たまたま古本屋にあったという理由で衝動買いしたもの。

本とか、漫画とかでも読み続けないとボキャブラリーが減るなと思うこの頃。

なんか横槍入れられずに何かに没頭したい。
埋没したい、そんな気分になるこの頃。

ネタバレあります。




・あらすじはAmazonの書評をみてもらうとして。
個人的にはすらっと読めた話でした。
といっても、これがミステリーなのかどうか…というと疑問が残ります。
最後まで読むまでに話の顛末のようなものがわかってしまうので。
それと「告白」というタイトルの通り、この話は一つの事件に対する関係者の独白という形で一つ一つの章が構成されているので、一人称をずーっと読み続けるのが辛いという人にとっては、多少読みづらい点があるかもなぁと思いました。

・もやっと感が残ります。
読後感がとにかくすっきりしない。
話の終わり方とかそういった点ではなくて、この内容がとてももやっとした何かを残す。
そのくらい強烈な内容だと個人的には思います。
読んだ後一週間くらい、牛乳みるとこの話を思い出すくらい、そんなもやっとした何かが残る。

・ここに出てくる登場人物はみんなごくごく普通の人達なんだと思う。
 HIVに感染した夫(になるはずだった人)を持った教師
 虐待され、母親に捨てられた事実を受け止められないマザコンの男子生徒
 逆にごく一般的な教育ママに育てられたけれど、中の上くらいにしかなれない男子生徒
 生まれ変わりみたいなものを信じてしまう女子生徒
多分、きっと普通に生活していればこういった状況とかはあり得る話なんだと思う。
だけど、どこかでねじが外れて一つの殺人が起こり、
そして教師の下した、「私裁」によって更に殺人が鎖のように繋がってゆく。
それぞれの言い分があるというのも、よーくわかって、そしてそれを否定しきれないというのが、すごくもやっとした何かを残す原因の一つだったのかなぁ。
なんというか、自分自身には関わりのないことなのに、私刑をしたり、「これが正義だ」と声高に叫ぶギャラリーの様子とかは特に今よくみられる光景だよなぁと思ったりもしました。

・殺人の口火を切ったのは
この最初の殺人を犯すきっかけになった二人に共通して言えるのは、
半熟卵みたいな状態の子供を教育する大人の影響がかなりあるんだよなぁということを強く感じました。
子供に対して言っているつもりもなくても
例えば
「私大はクソ大学だ」
と小さい頃から強く親が言っているのをきけば
「ああ、私大は全部クソなんだな」
と自然に子供は思ってもおかしくないとは思う。
私大はクソ=私大に行ってる人もクソになるし。
なんというかそういう大人(特に親)の言動ってすごく重要だと思う。
この二人はそういった大人のエゴみたいなものを吸収した結果、こうはならない人ももちろんいるけれど、
化学反応みたいなもので、こういう結果をもたらすこともあるということなのかなぁ。
私もゆくゆく子供を持つようになるならこういうことには本当に気をつけないといけないなぁ。と思う。
まぁ、なんというかホント、大変だなぁと思う。
こういうのを読むと自分も子供を育てられるんだろうか…とちょっと不安に思ったりもするんですよ。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

ということで、モヤっとボールが頭に残ってしまった私によかったらクリックお願いします。
[PR]
by rui-hadsuki | 2009-07-03 13:13 | books
<< 浦澤直樹『20世紀少年』を読む 作:久住昌之 画:谷口ジロー『... >>