山岸涼子『ラグリマ』『白い部屋のふたり』を読む

山岸涼子『ラグリマ』『白い部屋のふたり』を読む。

b0065128_2333335.jpgb0065128_2332031.jpg山岸涼子の初期の短編集です。
初期作品集の「レフトアンドライト」の中に収められていた小品。

なんというかですね、どっちも悲劇です。
両方とも「りぼん」で掲載されていたようで、当時の小学生はこんなに大人な漫画を小さい頃から読んだのかー、それはそれは衝撃だっただろうなと思ったりしましたよ。





・悲劇を描かせたら天下一品
だと思う山岸さんのこれまたもう救いようもない感じの悲劇です。
もう90年代にやってた「家なき子」の「同情するなら金をくれ!」レベル。
あー、あの話なんで流行ったんだろうなぁ、今思うと謎だ。
確か先生が非常にエグイなぁと思ったことだけは覚えてます。
ってそんな話は置いておいて。

・兎に角幸せになれない話。
まずは『ラグリマ』から。
幸せというのもあまり人並みの幸せを得られないまま束の間の安息も得られず、
最終的に病気で死んでしまうという…。
せめて漫画なんだからシンデレラストーリーにしてくれよ!と突っ込みたくなるくらい、19世紀ヨーロッパの格差社会をまざまざと描いてます。
奴隷として売られる→転売→白馬の王子様に会う→失恋→かわいいお嬢さんの子守になる→束の間の幸せ→病気になる→転売→子犬を助けようとして怪我、病気悪化して死去。
残ったのは白馬の王子様に教えてもらったラグリマ(「涙」の意)の歌だけ。
うーん、うーん。
リアル過ぎますよ。ほどほどアクチュアルが欲しい。
もしかしたら、日本も奴隷まではないですけど、こういう格差社会が忍び足で迫っているのかもしれないと思ったりしました。それにしても幸薄すぎるなぁ…。悲しすぎる。
一緒に掲載されてる短編集のラブコメが眩しい。そんな話でした。

・白い部屋のふたり
いわゆる「百合」ものなんですが、この時代の同性愛の作品はパートナーの死をもってしか結ばれないという構図が強いですね。
主人公はごく平凡なんですが、一方の強い個性を持っている方が死ぬという構図も似てるなぁと思う。
そういう構成は恐らく語り手である主人公がより読者に近い立場にならなければならないという必要性もあるのかなぁ。その方がより共感を得られるからなんでしょうね。
そして、なんでパートナーが死ぬのかというのは物語が続いていく未来がこの頃は考えられなかったというのもあるのかなぁ。
死があるから美しいものと描く事が出来るとも言える様な気がします。
24年組周辺はそういった作品が多いので、他の小品もぼちぼち当たってみようかとも思います。

・そしてごく個人的な話
山岸さんは初期の少女漫画ちっくな絵の方が個人的にはすごく素敵ですきなんですけどね…。
どうして「日出処の天子」辺りから画が変わったのかが非常に不思議です。
連載が「りぼん」から白泉社の「花ゆめ」とか「LaLa」に変わったからというのもあるのかもしれないですけどね。
ビアズリーの絵が好みとWikiにあるように確かに見てみると今の画の方が顔とかがビアズリーに近い…といえば近いんでしょうか。
顔はともかく、体のラインは本当うーん、と唸るものがあると思います。
綺麗で私は好みなんですよね。

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by rui-hadsuki | 2009-06-05 02:47 | books
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