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『蛇イチゴ』を観る

『蛇イチゴ』を観る_b0065128_11173573.jpgまた映画のレビューでも。

『蛇イチゴ』を観る
『ゆれる』を観たのもあって、西川監督の他の作品(といっても今の所、長編映画はこれしかないみたいですが)を観ようと思ってみてみました。









・これってキャストがうまーくはまってますよね。
生真面目な教師の妹。
厳格な団塊世代ゆえにリストラされ、家族に内緒で借金つくりまくりの父。
身体の自由がきかない祖父の介護を懸命にして、家庭を守る母。
認知症も患う祖父。
こんな問題が噴出しそうな感じのおうちで、祖父の葬式に詐欺師の兄が帰ってきたことによって、
いろんなことが変わっていきます。

・この物語のテーマって
筆舌にしがたい、というか。
「信頼」ということなのか、「本当のことは目に見えない」とか(星の王子様か!)
うーん。なんかどういう風に表現したら良いのかむつかしいですね。

・学校でのホームルームにて
私はこのシーンが一番記憶に残っているのですが、
ホームルームで水槽の掃除の当番(みたいな感じだったように思う)の子が男の子と女の子と二人でやっているんだけれど、男の子の方はいつもそれをサボっているらしい。
それをまた別のクラスのリーダー的な女の子が、みんなの前で先生に抗議するっていうよくみる場面なんだけれど、
男の子は「お母さんが具合が悪かったから」というんです。
けれどもその女の子が、「そのあとそのお母さんが自転車で元気に走ってるのをみた」と言います。
すると男の子は「じゃあ、その後元気になったんだと思います」と言います。
主人公の倫子は男の子が嘘を言っているといい、「嘘はついちゃいけない」と言います。
何かいいたいことはないか、と倫子に尋ねられ、仕事を押し付けられていた女の子は「彼のお母さんは本当に病気だったんじゃないですか?」と意外な一言を言うのだ。

そう、これがまさに兄がずっと嘘をついているという思い込みによるものなんだろうなぁ、と思う。
嘘を一度言った人間はずっと嘘しか言わない。
倫子は兄に騙されて、そういう経験をずっとしてきたのだから、それは正論といえば正論なんだろう。
だからといって全てを信じられないのはまた悲しい。

最後に映った蛇イチゴはまた信じてみようか、という気にさせられて少しの暖かい気持ちを残してくれる。
そんな作品でした。

・それにしても宮迫さんはうさんくさいですなー。
ホント、この人信じてお金預けてくださいってできないですよ。
怪しすぎて(笑)
これがまた身内だからの葛藤があるんですよね、きっと。

私としてはとても楽しめた作品でした。

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by rui-hadsuki | 2008-05-19 11:20 | movie | Comments(0)
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