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吉田秋生『ラヴァーズ・キス』を読む

を読み直してみる。
中学生くらいの頃に読んで、あの頃は視線の描き方とか、そういったものにしか注意が向かなかった。

吉田秋生『ラヴァーズ・キス』を読む_b0065128_23394782.jpg最近、鎌倉に行きたいなー、なんて思う。
だからなのか、吉田秋生の『ラヴァーズ・キス』を読み直してみた。





やっぱりいいなぁ。
『BANANA FISH』が吉田秋生の最高傑作とも言う人も多いけれど。(もちろん『BANANA FISH』も面白いですよ)
吉田秋生の短編はとてもいい話が多い。
この話は映画化もされているけれど、やっぱり原作の方がその雰囲気であったり、時間の間であったり、そういうものが分かってとてもいいです。
映画では単にヘテロとホモセクシャルが混在する世界というものだけが描かれていて、もっと重要な人の繊細な部分っていうのが省略されているような気がする。

家族に関する台詞とか、とても共感出来るものが多い。
「家族の事は好きだけど、だからといってずっとここにいたいとは思わない」
「家族だからこそ、たまらないこともあるんだよ」
こういう台詞ってなかなかない。
具体的にいろんな事は語られないけれど、そこになまなましいぐらいの物語がある。
リアルっていうのはそういう事なんだと思う。

綺麗じゃない現実。そういうものが綺麗だと思う。
それが日常だと思う。

それが自然っていうものなんじゃなかろうか。
by rui-hadsuki | 2004-11-27 20:16 | books | Comments(0)
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